ねえ、正直に聞きますね。
日本女子フィギュア、表彰台独占あるんじゃない?
そう思った瞬間、ちょっと胸がざわつきませんでしたか?
期待したい。
でも、五輪ってそんなに甘くない。
この感情の揺れこそ、今大会の本質なんです。
◆ まず結論からいきます
日本女子フィギュアの表彰台独占は、夢物語ではありません。
ただし条件付きです。
その条件とは何か?
それは
技術と芸術の両方を、最後まで崩さないこと。
当たり前のように聞こえますよね。でも、これが一番難しい。
◆ なぜ「可能性がある」と言われているのか?
理由はシンプルです。
ショートプログラムで複数選手が70点台後半を並べる。
これ、世界大会基準でもトップ層しかできません。
ここで少しだけ採点の話をしますね。
フィギュアの得点は大きく分けて2つ。
・TES(技術点)
・PCS(演技構成点)
TESはジャンプやスピンの基礎点+GOE(出来栄え点)
PCSはスケーティング技術や音楽解釈などの総合評価。
日本勢は今、この両方を高水準で揃えている。
つまり、
ジャンプだけ強いわけでも
表現だけ優れているわけでもない。
両輪が噛み合っている状態なんです。
◆ でも、五輪はショートで決まらない
ここが一番怖いところ。
フリーは約4分間。ジャンプは7本。
後半ジャンプには1.1倍ボーナスがつきます。
聞くだけでワクワクしますよね?
でも裏を返せば、
体力が落ちた終盤で高難度ジャンプを跳ぶということ。
回転不足(アンダーローテーション)が出れば基礎点は約70%に減ります。
転倒すれば−1点+GOE減点。
トップ争いで2〜3点のロスは致命的。
つまりこういうことです。
攻めれば伸びる。でも崩れれば一気に落ちる。
この綱渡りがフリーなんです。
◆ 日本勢の強みは“層の厚み”
ここが今回の大きなポイント。
一人のエース頼みではない。
スケーティング技術でPCSを安定させるタイプ。
ジャンプ精度でGOEを積み上げるタイプ。
音楽解釈で構成点を引き上げるタイプ。
得点の取り方が違う選手が、同じ水準にいる。
これ、実はすごいことです。
どこかが多少揺れても、他が補える構造。
だから独占という言葉が現実味を帯びる。
◆ 海外が驚いている理由
海外メディアが注目するのは、単なる点数ではありません。
再現性です。
五輪は特別な空気をまといます。
期待、重圧、視線。
そこで普段通り滑れるかどうか。
日本女子は近年、世界大会で安定してTESとPCSを揃えてきました。
技術偏重でもなく、芸術偏重でもない。
総合力。
だからこそ歴史的機会と報じられているのです。
◆ それでも残る最大のリスク
ここ、避けて通れません。
最大の敵は、他国ではなく緊張です。
独占なるかという言葉は、
知らないうちに足を重くします。
ジャンプはコンマ数秒の世界。
踏切の荷重が少しズレれば回転軸が傾く。
心の揺れは、氷上で数値になります。
そしてもう一つ。
海外有力選手が完璧に滑った場合。
高難度構成をノーミスでまとめた場合。
フリー単体での逆転は十分起こり得ます。
だから断言はできない。
でも、可能性は高い。
この絶妙なバランスが今大会の緊張感なんです。
◆ 観戦が何倍も面白くなる見方
ちょっとだけ視点を変えてみましょう。
演技前にジャンプ構成を確認してください。
後半にルッツがある
三連続がここだ
そう分かるだけで、着氷の瞬間の重みが違ってきます。
さらにプロトコルを見る。
TESが想定通りか?
PCSが伸びているか?
合計点だけでなく“理由”を見る。
すると、ただのメダル争いが、
戦略と精度の勝負に見えてきます。
◆ 最後に
日本女子フィギュアの表彰台独占。
それは決して誇張ではありません。
しかし、保証された未来でもありません。
必要なのは
・回転不足を出さない精度
・後半ボーナス区間の完遂
・PCSを落とさない滑走の質
・プレッシャー下での平常心
条件は揃っています。
あとは、4分間をどう滑り切るか。
あなたはどう思いますか?
いけると感じていますか?
それともまだ怖いと思っていますか?
その揺れも含めて、
今大会はすでに特別です。
氷上で答えが出る瞬間まで、
一緒に見届けましょう。
日本女子フィギュアの歴史が、
動くかもしれません。